土蔵 蔵の形 置き屋根
土蔵の屋根のつくりは、置き屋根かそうでないかに分けられる
上の蔵は置き屋根ではない、蔵本体の上に直に瓦が葺かれている
この蔵は、置き屋根 蔵本体の屋根(天井)の上に壁土をのせ
その上に屋根の骨組みをのせて瓦が葺かれている
なぜこんな違いがあるのか、今となっては分からないが
おそらく屋根材の違いがあると思う
今残っているものはほとんどないが、蔵の屋根が草ぶきや木端ぶきや杉皮ぶきのものがその地域では普通であって、燃えやすい素材で直接に蔵の屋根を葺くことができないから置き屋根の形になって、後の時代に瓦葺きに改造したか、それを模して最初から瓦葺の置き屋根で建てられたものと思われる。
屋根の面積が大きくなるので壁に雨が当たりずらいということや、本体と屋根との間に隙間があるので日差しで熱くなりにくいメリットもある。
置き屋根ではない方の蔵は、都市部など瓦葺きが早い段階で普及して置き屋根をつくらず直に屋根を瓦で葺けたからその形が一般的になったのではないかと思う。
徳島県の置き屋根の分布
徳島県では佐那河内、神山、勝浦、美郷などで置き屋根の蔵を見ることができる、
神山 全体に板がはってある
神山 一般的な土蔵
懸魚がついている規模の大きな土蔵
徳島市八多 立派な土蔵
徳島市上八万 大分古そう
勝浦 窓の庇の細工が精緻
反り屋根と、むくり屋根
反り(照りともいう)とむくり、とはどんなものか画像で見ていく
すごい反り屋根
城の屋根のような反り屋根
堂々とした、むくり屋根の家
妻側から見た、むくり屋根
上の家ほどではないが、きれいにまとまった むくり屋根
おそらく江戸時代末から明治に建てられた古い そり屋根の家
鬼瓦の影盛 などとても重々しい
千と千尋の神隠し 私が勝手に思っている 油屋のモデル
なかなか特徴的な建物、要素を分解してみる
赤い橋 立派な松の木 真っ赤な壁 なまこ壁の塀
鉄筋コンクリートの建物の上に和風建築
緑の屋根 グニャとした入母屋の屋根
などではないだろうか
一般的に知られている 油屋のモデル
たぶん説明は不要だろう
道後温泉本館 この屋根の造形はエグイ
宮崎駿でもここまではやっていない
ここからは 私が勝手に思っている
油屋のモデルっぽい建物です
広島県竹原の松阪邸 このグニャっとした屋根の形は油屋の屋根の形にそっくりではないだろうか。
正面から見ると別に似ていない、江戸時代末に建てられた豪商の屋敷で
明治時代にこの特徴的な唯一無二の屋根の形に改造されたらしい
愛媛県 仙龍寺 鉄筋コンクリートの建物の上に寺の本堂がのっている
正面から見てもどことなく似ている
香川県 かめびし醤油
赤い橋となまこ壁、真っ赤な壁この組み合わせはなかなか無いと思う
色彩の雰囲気でみると、どことなく似ているのではないかと思う
徳島県 美馬市 青木家住宅
この建物は大正時代に実業家が妻の故郷に建てた隠居屋敷らしい
バカでかい母屋
構造がすっきりしているがゆえに、大きいものがより大きく見える好例ではないかと思う
右側の少し張り出した部分が貴人用の式台玄関
左側の入り口が普通の玄関だろう、全体的にすっきりまとめられている
太い持出し梁が下屋を支えている
戸袋を支える持ち送りは立派な鯉の彫刻
軒裏の様子
屋敷のぐるりは煉瓦塀が取り囲んでいて、裏の通りから見ると煉瓦塀+なまこ壁で美しいのだが撮影し忘れた
内部が見てみたいものだが、公開される予定はないようだ
気になる建物 扇垂木の家 徳島
なぜだか徳島県にも建築費用が億はしたであろう邸宅が数多くある
その中でも
今回は扇垂木を持つ家を見ていきたい
全体的に扇垂木で屋根は本瓦葺き、なかなか凝っている
言葉にならないほどの、重厚感 威圧感がある。
ここまでの家は他にはないと思う