森の水

民家好きの気まぐれブログ

歴史的建造物

徳島 奥村家住宅 藍の館   藍生産について学べる、豪壮な藍屋敷

母屋 文化五年の建築でそこそこ古いが、 二階にも座敷がつくられ新しい要素が取り入れられている。 徳島城の古材を用いたという 表門 東側の藍寝床 内部には藍を育て、スクモ作り、出荷の工程が ジオラマで細かく説明されていて、これさえ見れば大体わかる。…

岡御殿  こけら葺き 扇垂木 優美な御殿建築

高知県安芸郡田野町 岡御殿 材木商 廻船商 酒造業などを生業とし、 藩主がこの地域を訪れた際の宿舎にあてられたたてものらしい 格式高い御殿建築が残るが、住人の生活空間は大半が失われ敷地もだいぶ小さくなっているらしい。 杮葺きの優美な屋根が目に付く…

香川 松賀屋   塩田王の大邸宅

香川県 三豊市 仁尾町 松賀屋 明治時代に建てられた四国一の塩田王の邸宅 月に数回公開日があり、下記のサイトで確認できる おそらく店の間 少し入り込んだところに玄関がある 道に面して店舗棟が建ち、敷地内の庭園に面して母屋を立てる理想的なつくりをし…

香川 合田邸   多度津の豪商

香川県 仲多度郡 多度津町 合田邸 海運業で財を成し、 明治から昭和初めにかけて造られた邸宅らしい 現在は合田邸ファンクラブの方が管理されていて、 電話予約で見学できるし、毎年春秋に一般公開されているらしい。 大きな手水鉢、下に水琴窟が埋まってい…

内子 高橋邸    日本のビール王

愛媛県喜多郡内子町、文化交流ヴィラ高橋邸 内子の町並みから少し外れた所に、 実業家で政治家、日本のビール王と称される高橋龍太郎の生家がある。 小高い石垣の上の青みがかった塀が印象的、母屋が黄色い壁なので際立って見える。 江戸時代は庄屋で酒造業…

木蝋資料館 上芳我邸 内子の町並み

愛媛県喜多郡内子町、木蝋資料館 上芳我邸 木蝋生産が隆盛を極めた明治中期に建てられた、工場店舗を兼ねた住宅らしい 母屋は総二階建て 下のほうは剥げているが、木部はベンガラ塗り 土間 大黒柱や梁などとても太い材が目に付く 全体的にベンガラが塗られて…

臥龍山荘     数寄屋造りの名建築

臥龍山荘といえば、 言わずと知れた数寄屋造りの名建築ですね 落ち着いたたたずまいの玄関 透かし彫りからさす光のゆらぎが美しい 磨き丸太の長押の出留めには寸分の狂いもない 音声ガイドによると、 有名な大工がこれを見て、これ以上見るものはないと引き…

愛媛県西予市 土居家住宅

四国最大のかやぶき民家で、 惣川というとても山深い集落にあります 薄暗い土間、梁などとても太い 酒造業をしていたときの大釜 大黒柱 畳や建具と比較すると大きさがよくわかる 土間付近の部材は手斧はつり 本座敷 見事な欄間が目を引く 書院の欄間にはヒョ…

旧来住家住宅

兵庫県西脇市の旧来住家住宅を見学しました 離れてみると、大きな入母屋の屋根と三つの虫籠窓が特徴的 玄関周りは太い木材が使われていて、分かりやすい威厳がある 台所の吹き抜け、無駄のない梁組みですっきりまとめている 土間境の部屋は田舎風に差鴨居が…

箱木千年家

兵庫県神戸市の日本最古の民家、 箱木千年家を見学した感想など 諸説あるが、室町時代の建築ということでほぼ間違え無いらしい 軒高が低く、外観からも相当な古さが感じられるが 改造が非常に多く、当初からの構造材は数本しか残っていないので 建築当初どん…

土蔵 蔵の形 2

今回は、徳島県の平野部の気になった蔵の形を見ていきます この地域のごく一般的な蔵 壁は白漆喰、屋根は本瓦葺き、窓には雨除けの漆喰の庇と銅板の外扉がつく この蔵は鎧貼の腰板がつく 水害に備えて高い石済みの上に立つ蔵、外壁はトタンでおおわれている …

 小比賀家住宅   江戸時代の屋敷構えを今に伝える邸宅

香川県の小比賀家住宅に行きました。 茅葺の大きな長屋門と、立派な松 毎月第三日曜日が公開日なのですが、 門が閉まっていて 本当に公開しているのか心配になったのですが、 ちゃんと公開していました。 とても長い 36mあるらしい 長屋門の右側は牛馬小屋 …

本陣カフェ chawan 後編

青々としたモミジ 池がありました 古い土塀 立派な蔵 外から見ると一つの大きな蔵なのですが 内側から見ると二つに分かれています ナマコ壁 よく見ると、庇の垂木掛けは折釘が支えて、 庇が燃えても蔵本体に影響がないようになっている 長い丸桁は鉄の持送り…

本陣カフェ chawan

9月1日に神戸市北区淡河の 本陣カフェ chawanに行きました ドリンクやケーキなどとても美味しいのですが、 建物もとても素晴らしいので、じっくり見させていただきました。 ケヤキの腰板が目を引く、 複雑な杢だが鉋でツルツルに仕上げてある 二尺くらいの幅…

徳島 藤田家住宅  阿波藍 展示・即売会

国指定登録文化財 藤田家住宅で行われた、阿波藍 展示・即売会に行きました。 登録文化財の民家は興味をそそられるものが多々あるものの、 住人の方の生活空間であって見学できないものが多いので、 このようなイベントは大変有難いものです 昭和の初めごろ…

兵庫 工楽邸

兵庫県 高砂市の工楽松右衛門 旧宅 2018年 6月ごろの訪問です 松右衛門帆の開発 海底掘削による港湾整備などを行った海運業の家です 展示してあった資料によると、江戸時代にも海底掘削船や杭打ち船があったようで驚きました 整然と貫が並んでいます 明るい…

永富家 後編

消防ポンプがありました なぜか狭間がある きれいな欅の濡れ縁 洒落た小窓 吊束の跡 何でもないところに欅四方柾の柱があった 蔵の壁の間に砂利がいれてあるらしい とても格式高い式台玄関 立派な社 江戸時代末の完成された技術で作られた、壮大な民家でした…

兵庫 永富家住宅 前編

兵庫県 たつの市の永富家住宅 2018年 6月ごろの訪問です 長屋門 シンプルな玄関 内側から見ると玄関の大きさが分かります 見ごたえのある梁組 四本溝の鴨居 戸を片側に寄せて開放的に使えます n 紀州から運ばれたという松材の梁 梁の加重を数本の柱で分散さ…

兵庫 佐野邸

姫路市指定文化財で日曜のみの公開です 2018年6月ごろの訪問です 庄屋で医師もやっていたそう、農地解放までは多大な農地を所有していたらしい 玄関と式台の間に、屋根付き出格子で武家屋敷風にまとめられている 貫付きの小壁がアクセントになっている 釜戸…

滋賀 五箇荘

これまたゴールデンウィークに行きました 庭がすごい 落ち着いた壁色 庇も凄い凝ってます 床の間 細かいところ凝ってます 外観はいたって質素 蔵はとても立派です へぎ板の網代天井 きらきらしてきれいです シンプルな小屋組み たぬき二匹 庭が切り取られて…

鳥取 石谷家住宅

これもゴールデンウィークにいきました 梁太すぎ、屋根の重みを梁で支えるより梁の重みそのものがとてつもなく重いでしょう 下から綺麗に見えるように、側面は下向きに斜めに削ってあります 新座敷 江戸座敷 書院、違い棚のデザインとかなかなか洒落ています…

貞光「織本屋」訪問記

外からの写真が無いのですが この前紹介した旧永井家庄屋屋敷の近くにある、元酒屋さんです 欅の大黒柱と太い梁で二階を支えて、広々大空間 囲炉裏があった 奥に長い 薄い青石の板で井戸枠が作ってある いしお 床柱の下がなく違い棚もないのでとてもすっきり…

貞光「旧永井家庄屋屋敷」訪問記 後編

今回は気になった所を細かく見ていきます。 母屋の濡れ縁の床板なんですが、和釘で止められています 蟻桟の加工のようなものがみえます 縁側のつくりは見所です 床下換気口 縁側を支える束の長さをみると、右に行くほど長くなっています。 整地とかせずに礎…

貞光「旧永井家庄屋屋敷」訪問記 中編

納屋みたいな藍寝床と座敷をくっつけた建物 広くて長い軒下スペース 二階は資料館のようになっています 束がとれそうで怖い がっしりした登り梁り 作りかけの床の間 入母屋の構造が凄い 垂木 隅木が桔木のようになっています 二重うだつ 立派な薬箪笥があり…

貞光「旧永井家庄屋屋敷」訪問記 前編

こんな感じの、いかにも江戸時代の庄屋のお屋敷です 貞光の街に家が6軒しかなかった時からあったそうで、水戸黄門のロケにも使われたらしい 表門 屋根にむくりがついていて、上品に見せている 片引き戸になっている 多分 江戸時代の瓦をあえて使っている 玄…

鳴門「福永家住宅」訪問記  後編

塩業者の住宅というと、岡山の「野崎家」、広島 竹原の「森川邸」などが有名で、 規模もはるかに大きいけど、住居部分と生産施設が切り離されていて 住居部分と蔵しか残っていません。 しかし福永家住宅は「住居」兼「生産施設」どちらも江戸時代をおもわせ…

鳴門「福永家住宅」訪問記  前編

2019年6月30日に重要文化財「福永家住宅」一般公開に行きました。 10人くらいのグループでガイドの方の解説を聞きながら、40分ほどで屋敷を見学しました。 塩田経営をしていた家で 江戸時代の製塩施設が残るのはここだけのよう まず見たのは、外観かやぶき屋…